台湾著作権法

 
 
 
 

第一章 総 則
第 1 条 
著作者の著作権益を保障し、社会の公共利益の調和を図り、国家の文化発展を促すために、特に本法を制定する。本法に規定がないものには、その他の法律の規定を適用する。
 
第 2 条 
本法において主務官庁とは、経済部をいう。
経済部は、主務官庁を指定して著作権業務を行わせる。
 
第 3 条 
本法における用語の定義は、以下に示す通りである。
  1. 著作物:文学、科学、芸術又はその他学術の範囲に属する創作をいう。
  2. 著作者:著作物を創作した者をいう。
  3. 著作権:著作物の完成により生じた著作者人格権及び著作財産権をいう。
  4. 公衆:不特定の者又は特定多数の者をいう。但し、家庭内及びその通常の社会的交際範囲における多数の者はこの限りでない。
  5. 複製:印刷、複写、録音、録画、撮影、筆記録又はその他の方法により、直接、間接的、永久的又は一時的に再製することをいう。脚本、音楽の著作物又はその他これに類する著作物の上演あるいは放送時にそれを録音又は録画する行為、あるいは建築著作物については、建築設計図又は建築模型に従って建築物を建築する行為もこれに含むものとする。
  6. 公開口述:著作物の内容を口頭又はその他これに類する方法で公衆に伝達することをいう。
  7. 公開放送:公衆に直接視聴又は聴取されることを目的として、有線、無線又はその他器材などの放送システムで情報を伝送する方法を用いて、音声又は映像を通じて著作物の内容を公衆に伝達することをいう。原放送者以外の者が有線、無線又はその他の器材などの放送システムで情報を伝送する方法を用いて原放送の音声又は映像を公衆に伝達することもこれに含むものとする。
  8. 公開上映:単一又は複数の視聴覚機器あるいはその他の映像を伝達する方法を用いて、同一の時間に現場又は現場以外の特定の場所の公衆に著作物の内容を伝達することをいう。
  9. 公開上演:演技、舞踊、歌唱、楽器の演奏又はその他の方法により現場の公衆に著作物の内容を伝達することをいう。拡声器又はその他の器材を用いて原放送の音声又は映像を公衆に向けて伝達することもこれに含むものとする。
  10. 公開伝送:有線、無線のインターネット又はその他の情報通信方法を用いて音声又は映像を通じて著作物の内容を公衆に伝達することをいい、公衆が自ら選定した時間又は場所において以上の方法で著作物の内容を受信させることができることもこれに含むものとする。
  11. 改作:翻訳、編曲、翻案、映画化又はその他の方法により原著作物を新たな創作物となすことをいう。
  12. 頒布:有償又は無償を問わず、著作物のオリジナル又は複製物を公衆の取引又は流通に提供することをいう。
  13. 公開展示:公衆に著作物の内容を展示することをいう。
  14. 公に発行:権利を有する者が公衆の合理的な需要を満たすことができる相当程度の部数の複製物を頒布することをいう。
  15. 公表:権利を有する者が発行、放送、上映、口述、上演、展示又はその他の方法により公衆に著作物の内容を公開提示することをいう。
  16. オリジナル:最初に創作が附着されたものをいう。
  17. 権利管理電子情報:著作物のオリジナル又はその複製物、あるいは著作物を公衆に伝達する際に、著作物、著作物の名称、著作者、著作財産権者又はその使用許諾を受けた者及びその利用期間又は条件を確認することのできる関連電子情報。数字、記号でこの種の情報を表示する場合もこれに属すものとする。
  18. 無断複製防止措置:著作権者が著作物に対する他人による無断侵入又は無断利用を有効的に禁止、制限するために採用する設備、部材、部品、技術若しくは他の科学方法をいう。
前項第 8 号において現場又は現場以外の特定の場所とは、映画館、クラブ、ビデオテープ又は映像ディスクの放映場所、ホテルの部屋、公衆の使用に供する交通手段又はその他不特定の者が出入りする場所をいう。
  1. インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)とは、以下のサービスを提供する者をいう。
    • 接続サービス・プロバイダー:その管理又は運営するシステム若しくはネットワークを通じて、有線又は無線により情報の伝送、送信、受信を行い、又は前述プロセスにおいて仲介及び過渡的な保存を行うサービスを提供する者をいう。
    • キャッシングサービス・プロバイダー(Caching Service Provider):ユーザの要求に応じて情報を伝送した後、その管理又は運営するシステム若しくはネットワークを通じて、当該情報の仲介及び過渡的な保存を行い、当該情報の伝送を要求したユーザがその後、当該情報への高速アクセスができるようにするサービスを提供する者をいう。
    • 情報保存サービス・プロバイダー:その管理又は運営するシステム若しくはネットワークを通じて、ユーザの要求に応じ情報保存サービスを提供する者をいう。
    • 検索サービス・プロバイダー:ユーザにネットワーク情報のインデックス、レファレンス又はリンクに関する検索又はリンクのサービスを提供する者をいう。
 
第 4 条 
外国人の著作物であって、次の各号のいずれかに該当するものは、本法により著作権を享有することができる。但し、条約又は協定にて別段の定めがあり、それが立法院により批准された場合は、その定めに従う。
  1. 最初に台湾の管轄区域において最初に発行されたもの、又は台湾の管轄区域外において最初に発行されたが、その発行の日から 30 日以内に台湾の管轄区域において発行されたもの。但し、当該外国人の母国が同一の条件の下で台湾人民の著作物を保護し、且つこれが事実であることが調査により確認された場合に限る。
  2. 条約、協定又はその母国の法令、慣例により、台湾人民の著作物が当該国において著作権を享有できる場合。
 
第二章 著作物
第三章  
第 5 条 
本法における著作物とは、次のとおりである。
  1. 文字著作物。
  2. 音楽著作物。
  3. 演劇、舞踊著作物。
  4. 美術著作物。
  5. 写真著作物。
  6. 図形著作物。
  7. 映画著作物。
  8. 録音著作物。
  9. 建築著作物。
  10. コンピュータープログラム著作物。
前項各号に例示される著作物の内容は、主務官庁がこれを定める。
 
第 6 条 
原著作物を改作した創作は派生著作物(二次著作物)であり、独立した著作物として保護を受ける。
派生著作物(二次著作物)の保護は、その原著作物の著作権に影響を及ぼさない。
 
第 7 条 
資料の選択及び編集配列につき創作性を有するものは編集著作物であり、独立した著作物として保護を受ける。
編集著作物の保護は、その編集対象となった著作物の著作権に影響を及ぼさない。
 
第 7 条の 1  実演家により行われた既存の著作物又は民族創作の実演は、独立した著作物として保護を受ける。
実演に対する保護は、原著作物の著作権に影響を及ぼさない。
 
第 8 条 
2 人以上の者が共同して完成した著作物であって、その各人の創作を分離して利用することができないものは、共同著作物という。
 
第 9 条 
次に掲げるものは、著作権の目的とすることができない。
  1. 憲法、法律、命令又は公文書。
  2. 中央又は地方の官庁が作成した、前号に掲げるものの翻訳物及び編集物。
  3. 標語、通用の記号、名詞、公式、数表・図表、帳簿、及び暦。
  4. 単に事実を伝達するための新聞報道からなる文字著作物。
  5. 法令により行われる各種試験問題及びその予備用の試験問題。
前項第 1 号にいう公文書は、公務員が職務上書き上げた告示文書の原稿、講演の原稿、新聞の原稿、及びその他の文書を含む。
 
第三章 著作者及び著作権
第一節 総 則
第 10 条 
著作者は、著作物を完成したときからその著作権を享有する。但し、本法に別の規定がある場合は、その規定に従う。
 
第 10 条の 1 
本法により取得した著作権に対する保護は、当該著作物の表現に限られ、それが表現する思想、プロセス、製造過程、システム、操作方法、概念、原理、発見には及ばない。
 
第二節 著作者
 第 11 条 
従業員が職務上作成した著作物は、当該従業員を著作者とする。但し、契約に使用者を著作者とする旨の約定がある場合は、その約定に従う。
前項の規定により従業員を著作者とする場合、その著作財産権は使用者に帰属する。但し、契約にその著作財産権は従業員が享有する旨の規定がある場合は、その約定に従う。
前二項にいう従業員は、公務員を含む。
 
第 12 条 
出資し他人を招聘して完成させた著作物は、前条に事由を除き、当該招聘を受けた者を著作者とする。但し、契約に出資者を著作者とする旨の約定がある場合は、その約定に従う。
前項の規定により招聘を受けた者を著作者とする場合、その著作財産権は契約の約定により、招聘を受けた者又は出資者が享有する。著作財産権の帰属について約定がない場合、その著作財産権は招聘を受けた者が享有する。
前項の規定により著作財産権が招聘を受けた者に帰属する場合、出資者は当該著作物を利用することができる。
 
第 13 条 
著作物のオリジナル又は既に発行された複製物に、あるいは著作物を公表する際に、著作者の本名又は周知の別名が通常の方法により表示されている者を、当該著作物の著作者と推定する。
前項の規定は、著作物の発行日、場所及び著作財産権者の推定にこれを準用する。
 
第 14 条 (削除)
 
第三節 著作者人格権
第 15 条 
著作者は、その著作物を公表する権利を有する。但し、公務員が第 11 条及び第 12 条の規定により著作者となり、著作財産権が当該公務員の所属する法人に帰属する場合は、これを適用しない。
次のいずれかに該当する場合は、著作者がその著作物を公表することに同意したものと推定する。
  1. 著作者が他人に対し未公表の著作物の著作財産権を譲渡、又はその使用を許諾した場合において、当該著作物がその著作財産権の行使又は使用により公表された場合。
  2. 著作者が未公表の美術著作物又は写真著作物のオリジナルあるいは複製物を他人に譲渡し、譲受人がこれらの著作物のオリジナル又は複製物を公開展示する場合。
  3. 学位授与法により著述した修士論文、博士論文で著作者が既に学位を取得した場合。
第 11 条第 2 項及び第 12 条第 2 項の規定により使用者又は出資者がはじめから未公表の著作物の著作財産権を取得する場合、著作者は著作物がその著作財産権の譲渡、行使又は利用により公表されることについて同意したものとみなす。
前項の規定は、第 12 条第 3 項に準用する。
 
第 16 条 
著作者は、その著作物のオリジナル又は複製物に、又はその著作物の公表に際し、本名、別名を表示する権利を有し、又は著作者名を表示しない権利を有する。
著作者は、その著作物から派生した著作物についても、同様の権利を有する。
前条第 1 項但し書きの規定は、前項に準用する。
著作物の利用者は、自らデザインした装丁を使用し、且つ装丁者又は編集主幹の氏名又は名称を付加することができる。但し、著作者に別段の意思表示がある場合、又は社会の使用慣例に反する場合は、この限りでない。
著作者の氏名又は名称の表示は、著作物の利用目的及び方法に照らし著作者の利益を害する恐れがなく、且つ社会の使用慣例に反さないとき、省略することができる。
 
第 17 条 
著作者は、他人に対し、著作物を歪曲、切り裂き、改ざん又はその他の方法で、その内容、形式又は名目を改変し、その名誉を毀損することを禁止する権利を有する。
 
第 18 条 
著作者が死亡又は消滅した場合、その著作者人格権に対する保護に関しては、当該著作者が生存又は存続しているとみなし、何人も、それを侵害することができない。但し、利用行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意に反さないと認められる場合は、侵害に該当しないものとする。
 
第 19 条 
共同著作物の著作者人格権は、著作者全員の同意を得なければ、行使することができない。各著作者は、正当な理由がなければ、同意を拒否することができない。
共同著作物の著作者は、著作者の中から代表者を選定して著作者人格権を行使することができる。
前項の代表者の代表権に加えられた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
 
第 20 条 
公表されていない著作物のオリジナル及びその著作財産権は、売買の目的となった場合又は本人の許諾を得た場合を除き、強制執行の目的物とすることができない。
 
第 21 条 
著作者人格権は著作者本人に専属し、譲渡又は継承することができない。
 
第四節 著作財産権
第一款 著作財産権の種類
 
第 22 条 
著作者は、本法に別段の定めがある場合を除き、その著作物を複製する権利を専有する。
実演者は、録音、録画又は撮影の方法を用いてその実演を複製する権利を専有する。
前 2 項の規定は、専らインターネットでの合法的中継的転送、又は著作物の合法的使用で、技術操作の過程に必要な、暫定的、付属的である、独立した経済価値を持たない一時的な複製物にはこれを適用しない。但し、コンピュータープログラムの著作物は、この限りでない。
前項のインターネットでの合法的中継的転送の一時的な複製には、インターネットにおける閲覧、クイックアクセス又はその他伝送機能を達成するためのコンピュータ又は機械本体の技術上不可避のすべての現象を含むものとする。
 
第 23 条 
著作者は、その文字著作物を公開口述する権利を専有する。
 
第 24 条 
著作者は、本法に別段の定めがある場合を除き、その著作物を公開放送する権利を専有する。実演者がその複製後又は公開放送後の実演について、再度公開放送する場合、前項の規定を適用しない。
 
第 25 条 
著作者は、その映画著作物を公開上映する権利を専有する。
 
第 26 条 
著作者は、本法に別段の定めがある場合を除き、その文字言語、音楽又は演劇、舞踊の著作物を公開実演する権利を専有する。
実演者は、拡声器又はその他の器材を用いてその実演を公に演じる権利を専有する。但し、その実演を複製し又は公開放送した後に再び拡声器又はその他の器材を用いて公に演じるものは、この限りでない。
録音著作物が公開実演された場合、著作者は公開実演者に対し使用料の支払いを請求することができる。
 
第 26 条の 1 
著作者は、本法に別段の定めがある場合を除き、その著作物を公開伝送する権利を専有する。
実演者はその複製された録音著作物の実演について、公開伝送権を専有する。
 
第 27 条 
著作者は、その未発行の美術著作物又は写真著作物を公開展示する権利を専有する。
 
第 28 条 
著作者は、その著作物を派生著作物に改作し、又は編集著作物に編集する権利を専有する。但し、実演にはこれを適用しない。
 
第 28 条の 1 
著作権者は、本法に別段の定めがある場合を除き、所有権移転の方式で、その著作物を頒布する権利を専有する。
実演家は録音著作に複製された実演について、所有権移転の方式で、その著作を頒布する権利を専有する。
 
第 29 条 
著作者は、本法に別段の定めがある場合を除き、その著作物を貸与する権利を専有する。
実演者はその複製された録音著作物の実演について、貸与権を専有する。
 
第 29 条の 1 
第 11 条第 2 項又は第 12 条第 2 項の規定により著作財産権を取得する使用者又は出資者は、第 22 条から第 29 条に定めるところの権利を専有する。
 
第二款 著作財産権の存続期間
 
第 30 条 
著作財産権は、本法に別段の定めがある場合を除き、著作者の生存期間、及び著作者の死後 50 年を経過するまでの間、存続する。
著作物が著作者の死後 40 年から 50 年の間に初めて公表された場合、著作財産権の期間は公表時から 10 年間存続する。
 
第 31 条 
共同著作物の著作財産権は、最後に死亡した著作者の死後 50 年を経過するまでの間、存続する。
 
第 32 条 
別名又は無記名の著作物の著作財産権は、その著作物の公表後 50 年を経過するまでの間、存続する。但し、著作者の死後 50 年を経過していることを立証できる場合は、その著作財産権は消滅したものとする。
前項の規定は、著作者の変名が周知のものである場合には、適用しない。
 
第 33 条 
法人が著作者である著作物の著作財産権は、その著作物の公表後 50 年を経過するまでの間、存続する。但し、著作物が創作後 50 年以内に公表されなかった場合は、その著作財産権は創作後 50 年を経過するまでの間、存続する。
 
第 34 条 
写真、映画、録音及び実演の著作財産権は著作物の公表後 50 年を経過するまでの間、存続する。
前条但し書の規定は、前項に準用する。
 
第 35 条 
第 30 条から第 34 条に定められた存続期間は、当該期間が満了する当年の末日を以って期間の終了とする。
継続的に又は逐次に公表した著作物について、公表日に基づいて著作財産権の存続期間を計算する場合、著作財産権の存続期間は、各回の公表が独立した 1 つの著作物となり得るものについては、それぞれの公表日から起算し、各回の公表が独立した 1 つの著作物となり得ないものについては、独立した 1 つの著作物と成すことができるときの公表日を以って起算する。
前項の場合において、継続すべき部分が前回の公表日から 3 年を経過しても公表されない場合は、著作財産権の存続期間は前回の公表日から起算する。
 
第三款 著作財産権の譲渡、行使及び消滅
 
第 36 条 
著作財産権は、その全部又は一部を他人に譲渡し、又は他人と共有することができる。
著作財産権の譲受人は、その譲り受ける範囲内において著作財産権を取得する。
著作財産権の譲渡範囲は、当事者の約定による。その約定が不明な部分については、譲渡していないものと推定する。
 
第 37 条 
著作財産権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。その使用許諾の地域、時間、内容、利用方法又はその他の事項は、当事者の約定による。その約定が不明な部分については、使用許諾していないものと推定する。
前項の許諾は、著作財産権者のその後のいかなる著作権に係る譲渡又は再許諾によっても影響を受けないものとする。
非専用実施権の許諾を受けた者は、著作財産権者の承諾を得ない限り、その著作物の利用を第三者に再許諾することができない。
専用実施権の許諾を受けた者は、その許諾を受けた範囲内において、著作財産権者の立場で権利を行使することができ、並びに自分の名義で訴訟上の行為を為すことができる。著作財産権者は、当該専用実施権の範囲内において、権利を行使することはできない。
第 2 項から前項までの規定は、中華民国 90 年(西暦 2001 年)11 月 12 日の本法改正施行前に許諾された実施権には適用しない。
次のいずれかに該当する場合は、第七章の規定を適用しない。ただし、著作権集中管理団体が管理する著作はこの限りではない。
  • 音楽著作が実施許諾され、コンピュータ・カラオケ装置に複製されているものについては、利用者がコンピュータ・カラオケ装置を利用して当該著作を公開演出する場合。
  • オリジナルに放送された著作を再度公開放送する場合。
  • メガホン若しくはその他の器材を用い、公衆に対してオリジナルに放送された音声又は映像を伝達する場合。
著作物が実施許諾され、コマーシャルに複製されているものについては、コマーシャル放送者が当該コマーシャルの公開放送又は同期公開伝送を行い、公衆に対して伝達する場合。
 
第 38 条 (削除)
 
第 39 条 
著作財産権を目的として質権を設定した場合、設定時に別段の定がない限り、著作財産権者は、その著作財産権を行使することができる。
 
第 40 条 
共同著作物の各著作者の持分は、共同著作者間の約定によりこれを定める。約定がない場合は、各著作者が創作に関与する度合いによりこれを定める。各著作者が創作に関与する度合いが不明な場合は、均等と推定する。
共同著作物の著作者の 1 人がその持分を放棄した場合、その持分は他の著作者にそれぞれの持分の比例に応じて割り当てる。
前項の規定は共同著作物の著作者が死亡または消滅、相続人或いは継承人がいない場合に準用する。
 
第 40 条の 1 
共有の著作財産権は、著作財産権者全員の同意を得なければ、行使することができない。各著作財産権者は、他の共有著作財産権者の同意を得ない限り、その持分を他人に譲渡し、又は他人のためにその持分を目的として質権を設定することができない。各著作財産権者は、正当な理由なく、同意を拒否することができない。
共有著作財産権者は、著作財産権者の中から著作財産権を代表して行使する者を定めることができる。代表者の代表権に加えられた制限を以って、善意の第三者に対抗することはできない。
前条第 2 項及び第 3 項の規定は、共有著作財産権にこれを準用する。
 
第 41 条 
著作財産権者が新聞や雑誌に投稿し、又は著作物の公開放送を許諾する場合は、別段の定がある場合を除き、1 回限りの掲載又は公開放送の権利を許諾したものと推定し、著作財産権者の他の権利には影響を及ぼさない。
 
第 42 条 
著作財産権は存続期間の満了により消滅する。存続期間内において次のいずれかに該当する場合も同様とする。
  1. 著作財産権者が死亡し、その著作財産権が法の規定により国に帰属すべき場合。
  2. 著作財産権者である法人が消滅した後、その著作財産権が法の規定により地方自治団体に帰属すべき場合。
 
第 43 条 
著作財産権が消滅した著作物については、本法に別段の定めがある場合を除き、何人も自由に利用することができる。
 
第四款 著作財産権の制限第五款  第 44 条 
国又は地方公共団体の機関は、立法又は行政上の目的のために、他人の著作物を内部参考資料とする必要があると認める場合には、合理的な範囲内において、当該他人の著作物を複製することができる。但し、当該著作物の種類、用途及びその複製物の数量、方法に照らし、著作財産権者の利益を害することとなる場合は、この限りでない。
 
第 45 条 
専ら司法手続きで使用する必要がある場合に限り、合理的範囲内において、他人の著作物を複製することができる。
前条但し書の規定は、前項に準用する。
 
第 46 条 
法の規定により設立された各学校並びにその教育を担当する者は、授業のために必要な場合には、合理的な範囲内において、既に公表された他人の著作物を複製することができる。
第 44 条但し書の規定は、前項に準用する。

第 47 条 
法令に従って教育行政機関による検定が必要とされる教科用図書を編集・製作する、又は教育行政機関が教科用図書を編集・製作する場合は、合理的な範囲内において、既に公表された他人の著作物を複製、改作又は編集することができる。
前項の規定は、当該教科用図書に付随する、教育担当者が専ら教育の場で使用する補助用品を編集する場合にも準用する。但し、当該教科用図書と同一の編集者により編集されるものに限る。
法の規定により設立された学校又は教育機関は、教育の目的上必要な場合には、合理的な範囲内において、既に公表された他人の著作物を公に放送することができる。
前三項の場合において、利用者はその使用状況を著作財産権者に通知し、且つ使用料を支払わなければならない。当該使用料の金額は、主務官庁がこれを定める。
 
第 48 条 
公衆の使用に供する図書館、博物館、歴史館、科学館、芸術館、その他の文教施設は、次に掲げるいずれかの場合には、その収蔵する著作物を複製することができる。
  1. 閲覧者の個人的研究に供する要求に応じるために、公表された著作物の一部分、若しくは定期刊行物又は既に公表された研究討論会論文集の単一著作物を、1 人につき 1 部に限り複製することができる。
  2. 資料保存のために必要がある場合。
  3. 絶版の著作物又は一般に入手することが困難な著作物につき、同じ性質を有する機関の要求に応じる場合。
 
第 48 条の 1 
国又は地方公共団体の機関、法の規定により設立された教育施設、又は公衆の使用に供する図書館は、既に公表された下記の著作物に添付された要約書を複製することができる。
  1. 学位授与法により著述された修士、博士論文で、著作者が既に学位を取得しているもの。
  2. 既に定期刊行物に掲載された学術論文。
  3. 既に公表された研究討論会の論文集又は研究報告。
 
第 49 条 
放送、撮影、録画、新聞、インターネット又はその他の方法によって時事を報道する者は、報道に必要な範囲内において、その報道過程において接触した著作物を利用することができる。
 
第 50 条 
国又は地方公共団体の機関、又は公益法人の名義で公表した著作物は、合理的な範囲内において、複製、公開放送又は公開伝送することができる。
 
第 51 条 
個人的に又は家庭内において営利を目的としない使用をする場合には、合理的な範囲において、図書館に設置されている機器、及び公衆の使用に供されていない機器を用いて、既に公表された著作物を複製することができる。
 
第 52 条 
報道、評論、教育、研究又はその他の正当な目的のために必要がある場合には、合理的な範囲内において、既に公表された著作物を引用することができる。
 
第 53 条 
中央又は地方政府機関、非営利機関又は団体、法により設立された各学校は、視覚障害者、学習障碍者、聴覚障害者又はその他著作物の感知に困難を有する障害者の使用に提供する目的のために、翻訳、点字、録音、デジタル変換、口述映像、手話をつける又はその他の方法ですでに公開発表された著作物を利用することができる。
前項で定める障害者又はその代理人による当該障害者個人のための非営利使用は、前項規定を準用する。
前二項の規定により製作された著作物の複製は、前二項が定める障害者、中央又は地方政府機関、非営利機関又は団体、法により設立された各学校において頒布又は公開伝送することができる。
 
第 54 条 
国又は地方公共団体の機関、法の規定により設立された学校、又は教育施設により行われた各種の試験において、当該試験の問題として、公表された著作物を複製することができる。但し、公表された著作物が試験問題の場合には、これを適用しない。
 
第 55 条 
営利を目的とせず、観衆又は聴衆から直接又は間接的にいかなる料金をも徴収せず、且つ出演者に報酬を支払わない場合には、活動中、既に公表された他人の著作物を公開口述、公開放送、公開上映又は公開上演することができる。
 
第 56 条 
ラジオ局又はテレビ局は、公開放送の目的のために当該著作物を自己の設備を用いて録音又は録画することができる。但し、その公開放送行為が著作財産権者の許諾を得たもの又は本法の規定に適合するものに限る。
前項の録音物又は録画物は、著作権主務官庁の許可を得て、指定された場所に保存される場合を除き、録音又は録画後 6 ヶ月以内にこれを焼却廃棄しなければならない。
 
第 56 条の 1 
受信効果を高めるために法の規定に従い設置された集合住宅のアンテナを用いて受信した場合、法令に従って設立された無線テレビ放送局が放送した著作物は、その形式及び内容の変更をしない限り、これを転送することができる。
 
第 57 条 
美術著作物又は写真著作物のオリジナル又は合法的に複製されたその複製物の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物のオリジナル又は合法的な複製物を公開展示することができる。
前項の公開展示をする者は、参観者に著作物を解説するために、説明書に当該著作物を複製することができる。
 
第 58 条 
街道、公園、建築物の外壁又はその他一般公衆に開放されている屋外の場所において、長期的に展示されている美術著作物又は建築著作物は、次に掲げる場合を除き、いかなる方法を以ってもこれを利用することができる。
  1. 建築の方法で建築物を複製する。
  2. 彫刻の方法で彫刻物を複製する。
  3. 本条が規定する場所に長期的に展示する目的で為した複製。
  4. 専ら美術著作物の複製品の販売を目的として為した複製。
 
第 59 条 
合法的なコンピュータープログラム著作物の複製物の所有者は、自ら使用している機器の必要に応じて当該プログラムを修正し、又はバックアップのため当該プログラムを複製することができる。但し、当該修正物又は複製物の使用は当該所有者に限る。
前項所有者が滅失以外の事由により原複製物の所有権を失った場合、著作財産権者の同意を得ない限り、その修正又は複製したプログラムを廃棄しなければならない。
 
第 59 条の 1 
台湾管轄区域内で著作権を取得した著作物オリジナル又はその合法的な複製物の所有権者は、所有権移転の方式でこれを頒布することができる。
 
第 60 条 
著作物オリジナル又はその合法的な複製物の所有者は当該オリジナル又は複製物を貸与することができる。但し、この規定は、録音及びコンピュータープログラムの著作物の複製物については適用しない。
貨物、機器又は設備に附属したコンピュータープログラム著作物の複製物で、当該貨物、機器又は設備に付随して合法的に貸与し、且つ当該貸与の主要な目的物でないものは、前項の但し書の規定を適用しない。
 
第 61 条 
新聞、雑誌に掲載された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説は、他の新聞又は雑誌に転載したり、ラジオ又はテレビで公開放送し、又はインターネット上で公開伝送することができる。但し、転載、公開放送又は公開伝送を禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
 
第 62 条 
政治上又は宗教上の公開演説、裁判手続及び国又は地方公共団体の機関における公開陳述は、何人もこれを利用することができる。但し、特定の人の演説又は陳述を編集著作物に編集しようとする場合は、著作財産権者の同意を得なければならない。
 
第 63 条 
第 44 条、第 45 条、第 48 条第 1 号、第 48 条の 1 から第 50 条まで、第 52 条から第 55 条まで、第 61 条及び第 62 条の規定により他人の著作物を利用することができる場合には、当該著作物を翻訳することができる。
第 46 条及び第 51 条の規定により他人の著作物を利用することができる場合には、当該著作物を改作することができる。
第 46 条から第 50 条まで、第 52 条から第 54 条まで、第 57 条第 2 項、第 58 条、第 61 条及び第 62 条の規定により他人の著作物を利用することができる場合には、当該著作物を頒布することができる。
 
第 64 条 
第 44 条から第 47 条まで、第 48 条の 1 から第 50 条まで、第 52 条、第 53 条、第 55 条、第 57 条、第 58 条、第 60 条から第 63 条までの規定により他人の著作物を利用する場合には、著作物の所出を明示しなければならない。前項の所出の明示にあたっては、無記名著作物又は著作者が不明な著作物を除き、著作者の氏名又は名称を合理的な方法により表示しなければならない。
 
第 65 条 
著作物の合理的使用は、著作財産権の侵害に該当しないものとする。
著作物の利用が第 44 条から第 63 条までの規定又はその他合理的な使用情況に該当するか否かは、一切の事情を審査勘酌しなければならず、特に判断の基準として次に掲げる事項に留意しなければならない。
  1. 利用の目的及び性質。商業目的又は非営利の教育目的であるかを含む。
  2. 著作物の性質。
  3. 利用する分量及びそれが著作物全体に占める割合。
  4. 利用の結果が著作物の潜在的な市場と現在の価値に及ぼす影響。
著作権者団体と利用者団体が著作物の合理的な使用範囲について協議を行う場合には、前項の判断の参考とすることができる。
前項の協議過程において、著作権主務官庁の意見を聴取することができる。
 
第 66 条 
第 44 条から第 63 条まで、及び第 65 条の規定は、著作者の著作者人格権に影響を及ぼさない。
 
第六款 著作物利用の強制使用許諾
 
第 67 条 (削除)

第 68 条 (削除)
 
第 69 条 
音楽著作物が録音されている商業用録音著作物が発行後 6 ヶ月を経過した場合において、当該音楽著作物を利用して他の販売用録音著作物を製作しようとする者は、著作権主務官庁の強制使用許諾の許可を受け、使用料を支払った上で、当該音楽著作物を利用し、録音・製作することができる。
前項に規定する音楽著作物強制使用許諾の許可、使用料の計算方法及びその他遵守すべき事項に係る規則は、主務官庁がこれを定める。
 
第 70 条 
前条の規定により音楽著作物を利用する者は、その録音著作物の複製物を台湾管轄外区域において販売してはならない。
 
第 71 条 
第 69 条の規定により強制使用許諾の許可を受けた後、その申請に虚偽の事実があると認められる場合、著作権主務官庁はその許可を取り消さなければならない。
第 69 条の規定により強制使用許諾の許可を受けた後、著作権主務官庁が許可した方法で当該著作物を利用しない場合、著作権主務官庁はその許可を取り消さなければならない。
 
第 72 条 (削除)第 73 条 (削除)第 74 条 (削除)第 75 条 (削除)第 76 条 (削除)第 77 条 (削除)第 78 条 (削除)
 
第四章 製版権
 
第 79 条 
著作財産権のない、又は著作財産権が消滅した文字著作物又は美術著作物について、製版者が当該文字著作物を整理して印刷したもの、又は当該美術著作物のオリジナルをコピー、印刷その他類似の方法を用いて複製し初版発行したもの、法に従い登録が為された場合は、製版者はその版面について、コピー、印刷その他類似の方法を用いて複製する権利を専有する。
製版者の権利は、製版完成時から 10 年間存続する。
前項の保護期間は、当該期間の満了する年の末日を以って期間の終了とする。製版権の譲渡又は信託は、登記しなければ、第三者に対抗することができない。
製版権登記、譲渡登記、信託登記及びその他遵守すべき事項に係る規則は、主務官庁がこれを定める。

第 80 条 
第 42 条及び第 43 条に定める著作財産権の消滅に関する規定、第 44 条から第 48 条まで、第 49 条、第 51 条、第 52 条、第 54 条、第 64 条及び第
65 条に定める著作財産権の制限に関する規定は、製版権にこれを準用する。
 
第四章の一権利管理電子情報及び無断複製防止措置
 
第 80 条の 1 
著作権者が付した権利管理電子情報は、削除又は改ざんすることができない。
但し、次に掲げるいずれかの事情に該当する場合には、この限りでない。
  1. 行為当時の技術的な制限により、著作物の権利管理電子情報を削除又は改ざんしなければ当該著作物を合法的に使用することができない場合。
  2. 録音録画製造又は伝送システム転換時、その転換技術上必要な削除又は改ざんである場合。
著作権管理電子情報が不法に削除又は改ざんされたものであることを明らかに知りながら、当該著作物のオリジナル又はその複製物を頒布し、あるいは頒布を意図して輸入又は所持することはできず、また公開放送、公開実演又は公開伝送することもできない。
 
第 80 条の 2 
著作権者は著作物を他人の無断侵入又は利用することを禁止又は制限するために採用した無断複製防止措置は、合法的な許諾を得ずに、解読、破壊又は他の方法で回避することができない。
合法的な許諾を得ずに、無断複製防止措置を解読、破壊又は回避するための設備、部材、部品、技術若しくは情報を製造、輸入、公衆に提供する若しくは、これらのものをもって役務を提供することができない。
前述二項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
  1. 国家安全を確保するための場合。
  2. 中央又は地方公共団体が行う場合。
  3. 資料取得の有無を確認するために、資料保存施設、教育施設又は公衆の使用する図書館が行う場合。
  4. 未成年者を保護するための場合。
  5. 個人の資料を保護するための場合。
  6. コンピュータ又はインターネットの安全性を検査する場合。
  7. 暗号化の研究を行う場合。
  8. リバーサルエンジニアリングを行う場合。
  9. 第 44 条~第 63 条及び第 65 条の規定により他人の著作物を利用するための場合。
  10. 主務官庁が定めるその他事情に該当する場合。
前項の各号の内容は、主務官庁がこれを定め、定期的に検討する。
 
第五章 著作権仲介団体並びに著作権の審議及び調停委員会
 
第 81 条 
著作財産権者は、権利行使、使用報酬の受領及び分配のために、著作権主務官庁の許可を得た上で、著作権集中管理団体を設立することができる。
独占的実施権を受けた者も著作権集中管理団体に加入することができる。
第 1 項に言う団体の設立許可、組織、職権及びその監督、指導は、別途法律で定める。
 
第 82 条 
著作権主務官庁は著作権審議並びに調停委員会を設置し、次の各号に掲げる業務の処理を行う。
  1. 第 47 条第 4 項に規定する使用報酬料率の審議。
  2. 著作権集中管理団体と利用者の間で生じた使用報酬の紛争の調停。
  3. 著作権又は製版権にかかわる紛争の調停。
  4. その他の著作権の審議及び調停に関するコンサルティング。
前項第三号に定める紛争の調停につき、それが刑事責任にかかわるものは親告罪事件に限定するものとする。
 
第 82 条の 1 
著作権主務官庁は調停成立後 7 日以内に、該調停書を管轄法院に送付して審査確定を受けなければならない。
前項の調停書につき、法院は迅速に審査確定を行い、法令、公序良俗に違反し又は強制執行できない場合を除き、法官が署名するとともに法院印を押した上で、一部保管し、それ以外は全て著作権主務官庁に返還し当事者に送達しなければならない。
法院は審査確定していない事件について、その理由を著作権主務官庁に通知しなければならない。
 
第 82 条の 2 
調停が法院の審査承認を受けた後、当事者は該事件について再度起訴、告訴又は自訴することができない。
前項の法院による審査承認を受けた調停は、民事確定判決と同一の効力を有する。法院が審査承認した刑事調停は、金銭又はその他代替物の給付又は有価証券の一定数量を標的とする場合、その調停書は債務名義としての効力を有する。
 
第 82 条の 3 
民事事件がすでに法院に係属しており、判決確定前に調停が成立し、且つ法院の審査確定を受けた場合、調停成立時に起訴が撤回されたものと見なす。
刑事事件の捜査中又は第 1 審弁論終了前に調停が成立し、法院の審査確定を受けるとともに当事者の同意を得て撤回する場合、調停成立時に告訴又は自訴が撤回されたものと見なす。
 
第 82 条の 4 
民事調停が法院の審査確定を受けた後、無効又は取り消しうる事由がある場合には、当事者は原審査確定の法院に対し、調停の無効又は調停取消しを宣告するよう求める訴えを提起することができる。
前項の訴訟につき、当事者は法院が審査確定した調停書の送達後 30 日以内にこれを提起しなければならない。
 
第 83 条 
前条の著作権の審議及び調停委員会の組織規程並びに紛争の調停方法は、主務官庁が起草して行政院の認可を経てこれを公布する。
 
第六章 権利侵害の救済
 
第 84 条 
著作権者又は製版権者は、その権利を侵害する者に対し、その侵害の排除を請求することができる。また、侵害するおそれがある場合には、その防止を請求することができる。
 
第 85 条
著作者人格権を侵害する者は、損害賠償の責任を負わなければならない。この場合、財産上の損害でなくても、被害者は相当の金額の賠償を請求することができる。
前項の侵害につき、被害者は、著作者の氏名又は名称の表示、内容の訂正その他名誉を回復するために適当な措置を請求することができる。
 
第 86 条 
著作者の死後においては、遺言に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる者は、その順位に従って第 18 条に違反する者又は違反する虞がある者に対し、第 84 条及び前条第 2 項の規定により、救済を請求することができる。
  1. 配偶者。
  2. 子女。
  3. 父母。
  4. 孫。
  5. 兄弟姉妹。
  6. 祖父母。
 
第 87 条 
次に掲げるいずれかに該当する場合、本法に別段の定めがある場合を除き、著作権又は製版権を侵害するものとみなす。
  1. 著作者の名誉を害する方法をもってその著作物を利用する場合。
  2. 製版権を侵害するものと明らかに知っていながらそれを頒布し、又は頒布する意図で展示又は所持する場合。
  3. 著作財産権者又は製版権者の許諾なく複製された複製物又は製版物を輸入する場合。
  4. 著作財産権者の同意なく、著作物のオリジナル又はその国外で合法的に複製された物を輸入する場合。
  5. コンピュータープログラムの著作財産権の侵害する複製物をもって業として行う場合。
  6. 著作財産権を侵害する物品であることを明らかに知りながら所有権移転又は貸与以外の方法で頒布する場合、あるいは著作財産権を侵害する物品であることを明らかに知りながら頒布を意図して公開展示又は所持する場合。
  7. 著作財産権者の同意又は許諾なく、公衆にインターネットを通じて他人の著作を公開輸送又は複製させることを意図し、著作財産権を侵害し、公衆に公開公輸送もしくは複製できるコンピュータープログラム又はその他の技術を提供し、それによって利益を受けている者。
  8. 他人が公開伝送又は公開放送する著作が著作財産権を侵害する物であると明らかに知りながら、インターネットを通じて当該著作に接触するよう公衆へ意図的に提供し、以下のいずれかの状況により利益を受けている場合:
    • 当該著作の IP アドレスを収集したコンピュータープログラムを公衆の使用に提供する。
    • 公衆に前述のコンピュータープログラムを使用するよう指導、協力又はショートカットを提供する。
    • (1)のコンピュータープログラムの設備又は器材を製造、輸入又は販売する。
前項第 7 号、第 8 号の行為者が、広告もしくはその他の積極的な措置をとり、公衆を教唆、誘致、煽動、説得し、コンピュータープログラム又はその他の技術を利用させ、著作財産権を侵害する者は、該号の意図を具えるとする。
 
第 87 条の 1 
次のいずれかに該当する場合は、前条第 4 号の規定を適用しない。
  1. 国又は地方公共団体の機関の利用に供するために輸入する場合。
但し、視聴覚著作物のオリジナル又はその複製物を、学校又はその他教育施設の利用に供するために輸入する場合、又は資料保存以外の目的で輸入する場合は、この限りでない。
  1. 非営利の学術施設、教育施設又は宗教施設の資料保存に供する目的のために、視聴覚の著作物のオリジナル又は一定数量の複製物を輸入して第 48 条の規定に従い利用する場合、又は図書館が貸与又は資料保存の目的のために、視聴覚著作物以外の他の著作物のオリジナル又は一定数量の複製物を輸入して第 48 条の規定に従い利用する場合。
  2. 頒布を目的としない輸入者の個人的使用に供するため、又は入国者の荷物の一部として、著作物のオリジナル又は一定数量の複製物を輸入する場合。
  3. 中央又は地方政府機関、非営利機関又は団体、法により設立された各学校は、視覚障害者、学習障碍者、聴覚障害者又はその他著作物の感知に困難を有する障害者の使用に提供する目的のために、翻訳、点字、録音、デジタル変換、口述映像、手話をつける又はその他の方法で複製された著作物の複製を輸入することができ、第 53 条の規定によりこれを利用することができる。
  4. 貨物、機器又は設備に包含された著作物のオリジナル又はその複製物が、当該貨物、機器又は設備の合法的輸入に伴い輸入された場合。この場合、当該著作物のオリジナル又はその複製物を、貨物、機器又は設備を使用したり操作する際に複製してはならない。
  5. 貨物、機器又は設備に付属した取扱い説明書又はマニュアルが、貨物、機器又は設備の合法的輸入に伴い輸入された場合。但し、取扱い説明書又はマニュアルを目的に輸入する場合は、この限りでない。
前項第 2 号及び第 3 号に規定する一定数量は、主務官庁が別に定める。
 
第 88 条 
故意又は過失により、他人の著作財産権又は製版権を不法に侵害する者は、損害賠償の責任を負う。複数の者が共同して不法侵害行為を為した場合は、連帯して賠償責任を負う。
前項の損害賠償につき、被害者は次に掲げるいずれか 1 つの規定を選択して請求することができる。
  1. 民法第 216 条の規定により請求する。但し、被害者がその損害を立証できない場合は、その著作権又は製版権の行使により通常の情況から予期できる利益から、権利侵害後に同一権利を行使して得た利益を差し引いた額を、その受けた侵害の額とする。
  2. 侵害行為により侵害者が実際に得た利益を請求する。但し、侵害者がそのコスト又は必要費用を立証できない場合は、その侵害行為により得た全収入を、その得た利益とみなす。
前項の規定により被害者がその実際の損害額を証明することが困難な場合、法院に対し、その侵害の情況により、NT$10,000.以上 NT$1,000,000.以下の賠償額を算定するよう請求することができる。
侵害行為が故意による場合で、且つその侵害情況がひどい場合は、賠償額をNT$5,000,000.まで引き上げることができる。
 
第 88 条の 1 
第 84 条又は前条第 1 項の規定により請求する場合、侵害行為により作成されたもの又は主に侵害に用いられたものについて、焼却廃棄又はその他必要な措置を請求することができる。
 
第 89 条 
被害者は、侵害者の費用負担で判決書の全部又は一部の内容を、新聞、雑誌に掲載することを請求することができる。
 
第 89 条の 1 
第 85 條及び第 88 条の損害賠償請求権は、請求権者が損害の存在及び賠償義務者を知った時点から 2 年間これを行使しない場合は、消滅する。権利侵害行為のあった時点から 10 年を経過した場合も同様とする。
 
第 90 条  共同著作物の各著作権者は、それぞれその著作権を侵害する者に対し、本章の規定により救済を求め、且つ持分に応じて損害賠償を請求することができる。
前項の規定は、その他の関係により成立した共有著作財産権又は製版権の共有者においても準用する。
 
第 90 条の 1 
著作権者又は製版権者は、税関に対し、その著作権又は製版権の侵害となった輸入品又は輸出品の留置を申請することができる。
前項申請は、侵害の事実を記載した書面の提出、及び留置のため留置物の所有者が受けた損害の担保を担保するため、税関が算定した当該輸入品の税込み価額(CIF)又は輸出品の本船渡し価額(FOB)に相当する保証金の供託を以って、行うものとする。
税関は留置の申請を受理次第、申請者に通知しなければならない。前項の規定に合致すると認めて留置を行う際、書面で申請者及び留置物の所有者に通知しなければならない。
申請者又は留置物の所有者は、税関に留置物の検査を行うよう申請することができる。
留置物が、法院の確定判決を経て著作権又は製版権の侵害にあたると認められた場合、税関によりこれを没収する。没収物のコンテナ延滞料金、倉庫賃貸料金、積み卸し費用等の関連費用及び焼却廃棄処分に要する費用は、留置物の所有者が負担する。
前項の焼却廃棄処分に要する費用は、税関が期限を設けて該期間内に納付するよう通知したにもかかわらず納付しない場合、法律により法院に移送して強制執行をする。
次に掲げるいずれかに該当する場合は、税関は留置処分を取り消し、留置物を輸出入貨物に関する通関規定により処理するほか、申請者は留置のため留置物の所有者が受けた損害を賠償しなければならない。
  1. 留置物が、法院の確定判決を経て著作権又は製版権の侵害にあたらないと認められた場合。
  2. 税関が申請者に留置申請の受理を通知した日から 12 日以内に、留置物を侵害物とする訴訟が提起されたことにつき、告知を受けなかった場合。
  3. 申請者が、留置処分の取り消しを申請した場合。
前項第 2 号に規定する期限は、税関が必要と認めた場合、12 日間これを延長することができる。
次の各号のいずれかに該当する場合は、税関は申請者の申請により保証金を返還するものとする。
  1. 法院の判決を経て申請者の勝訴が確定し、又は留置物の所有者との和解が成立し、引き続き保証金の供託が必要と認められない場合。
  2. 留置処分の取り消し後、申請者が留置物の所有者に対し、20 日以上の期間を定め、権利行使の旨を催告したにもかかわらず、それを行使しないことが証明された場合。
  3. 留置物の所有者が、返還に同意した場合。
留置物の所有者は、第 2 項に規定する保証金に対し、質権者と同一の権利を有する。
税関は勤務の執行により外観が明らかに著作権侵害の虞のある輸出入品を発見した場合、勤務日の一日内に権利者に通知し、輸出入者に許諾資料の提供を通知することができる。権利者は通知を受け、空運による輸出の場合は 4 時間、空運による輸入及び海運による輸出入の場合は勤務日の一日内に税関に到着して認定の協力をしなければならない。権利者が不明又は通知不能の場合、権利者が通知を受けて期限内に到着しない場合、若しくは権利者の認定により、係争標的物が権利侵害がないと判断した場合は、他の通関規定に違反する事情がある場合を除き、通関させなければならない。
権利侵害物と認定された貨物は、一時的に通関禁止とする。
通関禁止となされた貨物に対し、権利者が三日の勤務日内に第 1 項ないし第 10 項の規定に従って税関に留置申請をしないとき、又は権利を保護するための民事、刑事訴訟手続きを行わないとき、他の通関規定に違反する事情場合を除き、通関させなければならない。
 
第 90 条の 2 
前条の施行規則は、主務官庁と財政部が共同でこれを定める。
 
第 90 条の 3 
第 80 条の 1 又は第 80 条の 2 の規定に違反し、著作権者が損害を受けた場合、賠償責任を負う。2 以上の者が共同で違反した場合、連帯賠償責任を負う。
第 84 条、第 88 条の 1、第 89 条の 1 及び第 90 条の 1 の規定は、第 80 条の 1 又は第 80 条の 2 の規定に違反した場合に準用する。
 
第六章の一 インターネット・サービス・プロバイダーの民事免責事由
 
第 90 の 4 条 
以下に掲げる規定に合致するインターネット・サービス・プロバイダーは、第
90 条の 5 から第 90 条の 8 の規定を適用する。
  • 契約、電子伝送、自動探知システム又はその他の方法をもって、ユーザにその著作権又は製版権にかかわる保護措置を告知し、かつ、当該保護措置を確実に履行している。
  • 契約、電子伝送、自動探知システム又はその他の方法をもって、ユーザに権利侵害の事実が 3 回あった場合、全部又は一部のサービスを終了することを告知している。
  • 通知文書受取の連絡窓口情報を公告している。
  • 第三項の通用認証又は保護技術措置を実施している。
接続サービス・プロバイダーが著作権者又は製版権者からユーザの行為が権利侵害に係っているとの通知を受け取った後、当該通知を電子メールで当該ユーザに転送した場合、前項第一号の規定に該当するものと見なす。
著作権者又は製版権者が著作権又は製版権を保護するための通用認証又は保護技術措置を提供し、主務官庁の許可を得ているものにあっては、インターネット・サービス・プロバイダーはこの実施に協力しなければならない。
 
第 90 の 5 条 
次に掲げる事情に該当する場合、接続サービス・プロバイダーは、そのユーザによる他人の著作権又は製版権への侵害行為に対して、賠償責任を負わない。
  • 伝送した情報はユーザの発信又は要求によるものである場合。
  • 情報の伝送、送信、リンク又は保存が自動化技術により行われ、かつ、接続サービス・プロバイダーは伝送情報について如何なる選別又は修正も行っていない場合。
 
第 90 の 6 条 
次に掲げる事情に該当する場合、キャッシングサービス・プロバイダーは、そのユーザによる他人の著作権又は製版権への侵害行為に対して、賠償責任を負わない。
  • アクセスした情報を変更しなかった場合。
  • 情報提供者が当該自動的にアクセスしたオリジナル情報を修正、削除又は遮断した際に、自動化技術により同一の処理を行った場合。
  • 著作権者又は製版権者からユーザが権利侵害行為に係わっているとの通知があった後、直ちに当該権利侵害に係わる内容又は関連情報を削除又は他人のアクセスを不能にした場合。
 
第 90 の 7 条 
次に掲げる事情に該当する場合、情報保存サービス・プロバイダーは、そのユーザによる他人の著作権又は製版権への侵害行為に対して、賠償責任を負わない。
  • ユーザが権利侵害行為に係わっていることを知らない場合。
  • ユーザの権利侵害行為から直接に財産上の利益を得ていない場合。
  • 著作権者又は製版権者からユーザが権利侵害行為に係わっているとの通知があった後、直ちに当該権利侵害に係わる内容又は関連情報を削除又は他人のアクセスを不能にした場合。
 
第 90 の 8 条 
次に掲げる事情に該当する場合、検索サービス・プロバイダーは、そのユーザによる他人の著作権又は製版権への侵害行為に対して、賠償責任を負わない。
  • 一、検索又はリンクした情報が権利侵害に係わっていることを知らな い場合。
  • ユーザの権利侵害行為から直接に財産上の利益を得ていない場合。
  • 著作権者又は製版権者からユーザが権利侵害行為に係わっているとの通知があった後、直ちに当該権利侵害に係わる内容又は関連情報を削除又は他人のアクセスを不能にした場合。
 
第 90 の 9 条 
情報保存サービス・プロバイダーは、ユーザと約定した連絡方法又はユーザが登録した連絡情報に従い、第 90 条の 7 第三号に定める処理の状況を権利侵害に係わっているとされる当該ユーザに転送しなければならない。ただし、その提供するサービスの性質上、通知できない者は、この限りではない。
前項のユーザが権利侵害に係わっていないと自認した場合は、回復通知文書を添付した上で、情報保存サービス・プロバイダーにその削除された、又は他人がアクセスできないようにされた内容又は関連情報の回復を要求することができる。
情報保存サービス・プロバイダーは、前項に言う回復通知を受け取った後、直ちに回復通知文書を著作権者又は製版権者に転送しなければならない。
著作権者又は製版権者が情報保存サービス・プロバイダーによる前項通知を受け取った翌日から起算して 10 業務日以内に、情報保存サービス・プロバイダーに当該ユーザに対し訴訟を提起している証明を提出した場合、情報保存サービス・プロバイダーは回復義務を負わない。
著作権者又は製版権者が前項規定に従わず、訴訟提起の証明を提出しなかった場合、情報保存サービス・プロバイダーは、遅くとも回復通知を転送した翌日から起算して 14 業務日以内に削除した又は他人のアクセスを不能にした内容又は関連情報を回復しなければならない。ただし、回復できない場合は、事前にユーザに告知するか、又はその他の妥当な方法をユーザの回復に提供しなければならない。
 
第 90 の 10 条 
次に掲げる各号のいずれかに該当する場合、インターネット・サービス・プロ
バイダーは、権利侵害に係わっているユーザに対し賠償責任を負わない。
  • 第 90 条の 6 から第 90 条の 8 の規定に従い、当該権利侵害に係わっている内容又は関連情報を削除又は他人のアクセスを不能にした場合。
  • ユーザの行為が権利侵害に係わっていることを知った後、善意により当該権利侵害に係わっている内容又は関連情報を削除又は他人のアクセスを不能にした場合。
 
第 90 の 11 条 
故意又は過失により、インターネット・サービス・プロバイダーに対し、不実の通知又は回復通知を提出して、ユーザ、著作権者、製版権者又はインターネッ
ト・サービス・プロバイダーに損害を蒙らせた者は、損害賠償責任を負う。
 
第 90 の 12 条 
第 90 条の 4 に言う連絡窓口の公告、第 90 条の 6 から第 90 条の 9 に言う通知、回復通知の内容、記載すべき事項、補正及びその他の遵守すべき事項にかかわる規定は、主務官庁がこれを定める。
 
第七章 罰 則
 
第 91 条 
無断で複製の方法により他人の著作財産権を侵害した者は、3 年以下の懲役、拘留に処し、又は 75 万台湾元以下の罰金を科し又は併科する。
販売又は貸与の目的をもって無断で複製の方法により他人の著作財産権を侵害した者は、6 ヶ月以上 5 年以下の懲役、拘留に処し、又は 20 万台湾元以上
200 万台湾元以下の罰金を科し又は併科する。
光ディスクで複製する方法で第 1 項の罪を犯した場合、6 ヶ月以上 5 年以下の懲役、拘留に処し、又は 50 万台湾元以上 500 万台湾元以下の罰金を科し又は併科する。
著作物を私的参考又は合理的な使用に供する場合、著作権の侵害を構成しない。
 
第 91 条の 1 
無断で所有権移転の方法を以って著作物のオリジナル又はその複製物を頒布し他人の著作財産権を侵害した場合、3 年以下の懲役、拘留に処し、又は 50 万台湾元以下の罰金を科し又は併科する。
著作財産権を侵害する行為によって作成された複製物を知悉してこれを頒布し、又は頒布の目的とし公開展示又は所持する場合、3 年以下の懲役に処し、又は 7 万台湾元以上 75 万台湾元以下の罰金を併科する。
前項の罪を犯し、その複製物が光ディスクである場合、6 ヶ月以上 3 年以下の懲役に処し、又は 20 万台湾元以上 200 万台湾元以下の罰金を併科する。但し、第 87 条 4 号の規定に違反して輸入した光ディスクは、この限りでない。
前二項の罪を犯し、その物品の供給元の情報を提供した結果、当該供給元が逮
捕された場合、当該情報提供者の刑を軽減することができる。
 
第 92 条 
無断で公開口述、公開放送、公開上映、公開実演、公開伝送、公開展示、改作、編集又は貸与の方法により他人の著作財産権を侵害した者は、3 年以下の懲役、拘留に処し、又は 75 万台湾元以下の罰金を科し又は併科する。
 
第 93 条 
次の各号のいずれかに該当する者は、2 年以下の懲役、拘留に処し、又は 50 万台湾元以下の罰金を科し又は併科する。
  1. 第 15 条乃至第 17 条に規定する著作人格権を侵害した者。
  2. 第 70 条の規定に違反した者。
  3. 第 87 条第 1 項第 2 款、第 3 款、第 5 款又は第 6 款に定めるいずれかの方法により他人の著作権を侵害した者。但し、第 91 条の 1 の第 2 項及び第 3 項に定める場合は、この限りではない。
  4. 第 87 条 1 項 7 号又は第 8 号の規定に違反した者。
 
第 94 条 削除。
 
第 95 条 
第 112 条の規定に違反した者は、1 年以下の懲役、拘留に処し、又は 2 万台湾元以上 25 万台湾元以下の罰金を科し又は併科する。
 
第 96 条 
第 59 条第 2 項又は第 64 条の規定に違反した者は、NT$50,000.以下の罰金に処する。
 
第 96 条の 1 
次のいずれかに該当する者は、1 年以下の懲役、拘留に処し、又は 2 万台湾元以上 25 万台湾元以下の罰金を科し又は併科する。
  1. 第 80 条の 1 に違反した者。
  2. 第 80 条の 2 の第 2 項に違反した者。
 
第 96 条の 2 
本章により罰金を科す場合、犯人の資金力及び犯罪で得た利益を斟酌しなければならない。犯罪で得た利益が罰金の最高額を上回っている場合には、当該得た利益の範囲内で追徴を酌量することができる。
 
第 97 条 (削除)
 
第 97 条の 1 
事業者が公開伝送の方法により、第 91 条、第 92 条及び第 93 条 4 号の罪を犯し、法院から有罪の判決を受けたものは、その行為を直ちに中止しなければならない。中止せず、また主務官庁が専門家・学識経験者及び関連業者を召喚し審理した上で、当該侵害の情状が重大かつ著作権者の権益に厳重に影響していると認定したものについては、主務官庁は当該事業者に対し、一ヶ月の期限を設けてその行為を改めるよう命じなければならない。期限を過ぎても改めなかった者については、営業停止を命令するか休業を強制することができる。
 
第 98 条 
第 91 条第 3 項及び第 91 条の 1 第 3 項の罪を犯した場合、犯罪に用いるため、犯罪予備のために提供されたもの或いは犯罪生じた物は犯罪行為者に属するものに関わらずこれを没収することができる。
 
第 98 条の 1 
第 91 条第 3 項又は第 91 条の 1 第 3 項の罪を犯し、その行為者が逃亡し行方がわからない場合には、犯罪に使用し又は犯罪で得た物は、司法警察機関が直接没収することができる。
前項の没収した物は、没収金を国庫に納める以外、これを焼却するものとする。
その焼却又は没収金の処理手続は、社会秩序維持法の関連規定を準用し処理するものとする。
 
第 99 条 
第 91 条から第 93 条まで、第 95 条までの罪を犯した場合は、被害者その他告訴権を有する者の請求により、判決書の全部又は一部を新聞に掲載することを命じることができ、その費用は被告が負担する。
 
第 100 条 
本章の罪は、告訴を待ってこれを論ずる。但し、第 91 条第 3 項、第 91 条の 1 第 3 項の罪はこの限りでない。
 
第 101 条
法人の代表者、法人又は自然人の代理人、使用人その他の従業者が、業務遂行により第 91 条から第 93 条まで、第 95 条から第 96 条の 1 までの罪を犯した場合は、当該各条の規定により行為者を罰するほか、当該法人又は自然人に対し、当該各条の罰金を科する。
前項の行為者、法人又は自然人の一方に対してした告訴又は告訴の取り消しは、他方にもその効力が及ぶ。
 
第 102 条 
認可を受けていない外国法人は、第 91 条から第 93 条まで、第 95 条から第 96 条の 1 までの罪に対し、告訴又は自訴を提起することができる。
  
第 103 条 
司法警察官又は司法警察は、他人の著作権又は製版権を侵害したとして告訴又は告発を受けた者に対し、法によりその侵害物を差し押さえた上、送検することができる。
 
第 104 条 (削除)
 

第八章附 則

 
第 105 条 
本法の規定に基づき強制使用許諾、製版権の登記、製版権の譲渡登記、製版権の信託登記、調停、製版権登記簿の閲覧又は謄本の交付を請求する場合は、手数料を支払わなければならない。前項手数料の料金基準は、主務官庁がこれを定める。
 
第 106 条 
1992 年 6 月 10 日付本法改正法の施行前に完成された著作物であって、且つ 1998 年 1 月 21 日付本法改正施行前の本法第 106 条から第 109 条までのいずれかの規定に該当するものは、本章に別段の定めがある場合を除き、本法(新法)の規定を適用する。
1992 年 6 月 10 日付本法改正法の施行後に完成された著作物は、本法の規定を適用する。
 
第 106 条の 1 
世界貿易機関(WTO)において為された協定が台湾管轄区域において効力を生ずる日より前に完成された著作物であって、改正前の著作権法により著作権を取得しておらず、且つ、本法に定めるところの著作財産権期間の計算規定によって、それがなお存続する場合、本章に別段の定めのある場合を除き、本法を適用する。但し、外国人の著作物であって、その最初の発行国において保護期間が満了したものは、これを適用しない。
前項但し書に規定する最初の発行国は、西暦 1971 年文学及び美術著作物の保護に関するベルヌ条約第 5 条の規定により定める。
 
第 106 条の 2 
前項の規定により保護を受ける著作物の利用者は、世界貿易機関において為された協定が台湾管轄区域で効力を生ずる日より前に既に当該著作物の利用に着手し、又は当該著作物を利用するために既に莫大な投資をした場合は、本章に別段の定めのある場合を除き、同協定の台湾における発効日から 2 年間継続して当該著作物を利用することができ、第 6 章及び第 7 章の規定を適用しない。
2003 年 6 月 6 日付本法改正施行前から利用者が前項規定により著作物を利用していた場合、貸与又は貸借の情況を除き、当該著作物について合理的な使用料を通常自由交渉により取決め、利用される著作物の著作財産権者に支払わなければならない。
前条の規定により保護を受ける著作物につき、利用者が使用許諾を受けずに完成した複製物は、本法改正公布の 1 年後から、販売することはできない。
前条の規定により保護を受ける著作物を利用して新たに創作した著作物の複製物は、前項の規定を適用しない。但し、第 44 条から第 65 条までの規定以外に、当該著作物について合理的な使用料を通常自由交渉により取決め、利用される著作物の著作財産権者に支払わなければならない。
 
第 106 条の 3 
世界貿易機関において為された協定が台湾管轄区域で効力を生ずる日より前に第 106 条の 1 に規定する著作物を改作して完成された二次的著作物であって、これまでの旧法により保護を受けているものは、同協定が台湾において効力を生じた後、継続して利用することができ、第 6 章及び第 7 章の規定を適用しない。
 2003 年 6 月 6 日付本法改正施行前から、前項の規定により著作物を利用していた者は、当該著作物について合理的な使用料を通常自由交渉により取り決め、原著作物の著作財産権者に支払わなければならない。
前二項の規定は、二次的著作物の保護に影響を及ぼさない。
 
第 107 条 (削除)第 108 条 (削除)第 109 条 (削除)
 
第 110 条 
第 13 条の規定は、1992 年 6 月 10 日付本法の改正施行前に既に登録された著作物には適用しない。
 
第 111 条 
第 11 条及び第 12 条の規定は、次のいずれかに該当するものについては、適用しない。
  1. 1992 年 6 月 10 日付改正施行前の本法第 10 条及び第 11 条の規定により著作権を取得した場合。
  2. 1998 年 1 月 21 日付改正施行前の本法第 11 条及び第 12 条の規定により著作権を取得した場合。
第 112 条 1992 年 6 月 10 日付本法改正施行前に、同改正法施行前の旧法の保護を受けている外国人の著作物を翻訳し、その著作権者の同意を得ていない場合、1992 年 6 月 10 日付本法改正施行後、第 44 条から第 65 条の規定に該当する場合を除き、当該翻訳物を複製することはできない。
前項に規定する翻訳物の複製物は、1992 年 6 月 10 日付本法改正法の施行日から 2 年を経過した後、販売してはならない。
 
第 113 条 
2003 年 6 月 6 日付本法改正施行前取得した製版権は、本法に定める権利期間の計算により依然として存続中である場合、本法(新法)の規定を適用する。
 
第 114 条 (削除)
 
第 115 条 
本国が著作権の保護につき外国の団体又は機構と相互に締結した協議であって、行政院の認可を経たものは、第 4 条にいう協定とみなす。
 
第 115 条の 1 
製版権登記原簿、登録台帳又は製版物の見本は、一般大衆の閲覧、抄録に提供しなければならない。
1998 年 1 月 21 日付本法改正施行前の著作権の登録台帳、登記原簿又は著作物の見本は、一般大衆の閲覧、抄録に提供することができる。
 
第 115 条の 2 
法院は、著作権に係る訴訟事件につき、専門の法廷を開き、又は担当者を指定して、審理を行わせることができる。
法院は、著作権の訴訟事件につき、判決書の正本一部を著作権主務官庁に送付しなければならない。
 
第 116 条 (削除)
 
第 117 条 
本法は、1998 年 1 月 21 日に改正公布された第 106 条の 1 から第 106条の 3 までの規定が、世界貿易機関において為された協定が台湾で効力を生じる日より施行され、また 2006 年 5 月 5 日に改正公布された条文は、同年 7 月1 日より施行されるのを除き、公布の日より施行する。